私の愛聴バン
by 丹羽英人 1983.10.10
いゃあ困った。愛聴盤と言ってこれを出してしまうと Booingが起こりそうなのだ。かのサルサの太陽の邦題「褐色の守護神」である。これはサルサの中でもかなり特殊なものなので、レロライ倶楽部では、しばらくおあづけにしておくつもりだったんだけど・・・・。
私の場合、サルサを聴きはじめたのは、Del Sol(オルケスタ・デル・ソル)の1枚目が出るころだから2年とちょっと前ってところだろうか。
Musica Latinaとの出会いはやはりSantanaで、高校生当時、私はギタリストでありまして、はじめはカルロスのギターに魅せられて、高3の文化祭の予選であの“Europa”を演ったんだけど、そのときのコンガ(パーカッションはコンガのみだった)が、Señor Yokóiだったんですよ。
だから大学でももっぱらSantanaを演ったんだけど、まともなパーカッショニストが、なかなかいなくて、私自身が教えなければならなくて・・・。 それで池袋YAMAHAのパーカッション教室をのぞきに行った時から、運命はかわったのであった。その年’80年に来日した Latin Percussion Jazz Ensemble(ラテン・パーカッション・ジャズ・アンサンブル)のパーカッション・クリニックのビデオを見て、Puente, Patatoのすごさにぶっとんでしまった。ピアノ、ベースとパーカッションのみで”Oye Como Va”を演ってしまったのだ。 そしてパーカッション教室で教わったのは、元東京キューバンボーイズの小野寺猛(ど~してんでしょうね、この人)と矢坂順ちゃん(現オルケスタ246)で、ここで基本を教わって、実は自分のバンドのパーカッショニストにそれを教えたんである。
だがいっこうにまともにならず、いろいろとパーカッショニストは入れかわって(ジーンズ屋のおにいさん、とんかつ屋のおやじ、プロを目指すドラマーが2人)みたものの、うまい人は行方不明になったり、遠かったりで・・・・・。 結局自分で演った方が早いと、’81年は半分ギター,半分コンガ、’82年にはついにギタリストを廃業してしまった。
(このあたりの顛末は、以下をご参照あれ)
そんなわけで一何がそんなわけかわからんけどー、 私の愛聴盤は…なんとDel Solの“Rainbow Love”!(あ~、ついに書いてしまった)といきたいが、これもおいておいて、やはりここは Musician Likeに、コンゲーロRay Barretto “Giant Force” (’80)と“Rhythm of Life”(’82)をあげておこう。
どちらにも共通して言えるのは、しかけの多いカッコイイ、アレンジが魅力ということ。特にリズムのしかけは一級品。コンゲーロとしてはPatatoの方が確かにすごいけれど、「今サルサのコンゲーロ No.1 はRay Barrettoだ!」と声を大にして私は言いたい。
A1 | Tu Propio Dolor |
A2 | Arallue |
A3 | Aguardiente De Cana |
A4 | Los Mareados |
B1 | Pura Novela |
B2 | Guarapo Y Melocha |
B3 | Tus Mentiras |
B4 | Fuerza Gigante – Giant Force |
2023年注
A4 Los Mareadosは元々Tangoの曲。
アルバムのテンションはB面後半に向かって上がっていき、タイトルチューンのB4 Fuerza Giganteで最高潮となる珍しいアルバム構成。B3 Tus Mentirasは岐阜・名古屋で初のサルサライブを行ったSalsa El PrimeroがNYのどこかのライブ録音を基にした構成でレパートリーにされていた。タイトルチューンのB4 Fuerza Giganteは、アナログ盤では収録されていた御大Ray Barrettoの渾身のConga Soloがデジタルリミックスで発売されたCD版ではさっくり削除された。
A1 | Manos Duras |
A2 | Amor Artificia |
A3 | Si No Eres Tu |
A4 | Granada |
B1 | Mi Dedicacion |
B2 | Indiferencia |
B3 | Rhythm Of Life (Ritmo De La Vida) |
2023年注
A3 Si No Eres Tuは、プエルトリコが生んだ大作曲家 Don Pedro Flores作のボレーロ。多くの歌手が録音しているが、この版が一番のお気に入り。ジャケット裏の記述によれば
「Coro on A3 Ray De La Paz Luis Gonzales」
とある。Ray De La PazとBongo奏者のLuis GonzalesのDuetと読めるが、実際のところはどうなんでしょう。
A4 Granadaはメキシコの作曲家Agustín Lara作の曲で、同時期にOscar D’Leonも録音している(El Sabor De Oscar ’83 B4)。
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