サルサ風味物語 ゴンサレス 13 #2 -Lelolai Vol.2

Lelolai Vol.2

サルサ風味物語 ゴンサレス 13 #2
by H.コローン 1983.10.10

どうしたことか、最近の仕事は俺の趣味にピタリと一致したターゲットばかりで、仕事なのか、個人的な趣味なのか、わからなくなりそうだ。おっと! けっして殺しは趣味ではない。そんなに気が違ってしまったわけではない。俺だって仕事だからこそ、忠実に標的に狙い定めてトリガーを引くだけだ。あくまでビジネスなのだが、たまたま、そのターゲットが俺の好みでないヤツだと個人的感情が入ってしまう。プロとしては失格だ。

“必殺仕事人ゴンサレス13″といわれる俺にとって、個人的感情とはおさらばしていなければならない。ビジネスライクにトリガーをひけばいいのだ。 そう納得して、このビジネスに飛びこんではや10年。しかしいまだ感情が入ってしまう。

殺せ!殺せ!おのれの感情を殺せ!ビジネスに感情は無用だ。クールに、クールに、実行するだけだ。俺を、スパニッシュ・ハーレムでまん引きで生計をたてていた、親なしの俺を育ててくれたゴルゴ13(とおさん)の教えを、今また思いだす。 クールになれ。感情は抜きだ。
しかし俺には感情がある。うまれ持った感情が、喜びも悲しみも、俺はこのハートでしっかりと感じてしまう。にくしみも、うらみも、ねたみも、しっとも…。

今回の仕事にも感情が入ってしまっている。
今から楽しみが、・・・そうだ明らかに個人的な趣味に一致した仕事だからに違いない。なぜか心が軽くなりそうな仕事だ。
ロが軽くなってきた。ターゲットもクライアントも秘密でなければいけない”仕事人稼業”なのに。
「いっちゃうゾ~!」
あまりにもうれしい仕事だけに、俺は思わずそのターゲットを人に言ってしまいたくなる衝動にかられてきた。

「お飲み物をお持ちしましょうか?」
スチュワーデスの声に、俺は思考の世界から現実に引き戻された。赤毛のスチュワーデスがほほえみながら俺を見ていた。
「ラムをストレートで、できればロンリコがいいんだが……」
言葉はそこまでだった。俺の目は、心は、いや全神経はその赤毛のスチュワーデスにむけられていた。

ゴメンナサイ!紙面の都合上、ここまでで終わり。次回に続くのです。スミマセン。
ああ!ゴニサレス13に見そめられた赤毛のスチュワーデスはどうなるのでしょう。そして今回のターゲットは誰なのでしょう。次回が楽しみだ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました