私の愛聴バン -Lelolai Vol.3 いよいよ会長のご登場。まってましたの声、かかるかどうか
by 野口 越生 1984.4.1
ティト・プエンテ、レイ・バレットとニューヨーク勢が続いた“私の愛聴盤”。 プエルト・リコはどうした!の声があってしかるべきで、おまたせしましたボリンケン。
昨年までの番付は、南の横綱がラファエル・コルテーホとエル・グラン・コンボ。大関がウィリー・ロサリオとトミー・オリベンシア。注文相撲のソノーラ・ポンセーニャとロベルト・ロエーナが関脇。小結はカナジョンとがぶりよりのマルビン・サンチアーゴと続いていたが、今やコルティーホは亡くなってしまい、横綱はグラン・コンボだけ。 ロベルト・ロエーナは小結に落ち、ムレンセが関脇に上がってきた。 と、ここまで書いたところで第3号は1枚におさめるゾ~という編集長の声が聞こえてきそうなので、そろそろ本題にはいります。
天国
エ~私の愛聴盤は、今は亡き南の横綱、プエルト・リコのドン1980年作“El Sueño Del Maestro “(TIERRAZO TLP003)
このアルバムが私とコルティーホの最初の出会いで、彼のパワフルなボンバにブッ飛んでしまった。
守りはドラムスにまかせて、野性的パワーであばれまくるコルティーホのコンガ。 おやじそっくりの”アゴはずれボーカルのイスマエロ・リベーラ。そして抜群のリズム感、はじける唄声のフェ・コルティーホ (ラファエルの姪)という三者の個性とパワーのぶつかり合いはファンキーで強烈。
生気あふれる、はじけるリズムのこのアルバムを聴いた後のさわやかな気分は格別で、明日への希望も湧いてくる私なのです。
最後に、サルサ天国に眠るドンの冥福を祈りたい。
夢の島
今年一番よく聴いたアルバムは、横綱・三役のものではなく、前頭8枚目TH部屋の太刀持ちならぬトロンボーン持ち、ルビーアドックの”De Regreso”(TH/AM2172, 1981年)
アルト・テナー、バリトン・サックスを加えた、ちょっと甘みのあるホーン・アンサンブル(チラッとみせるルビーアドックのソロもかっこいい)
ラウル・カルボネルJr.とトニーリバスの締まって伸びのあるボーカル、
私の大好きなチェオ・キニョーネスのクリアーハイトーン・コロ、
そし全体としては17人編成ながらすっきりした音が魅力だ。
とどめはB面の”El Amor” と “María Teresa”の悲しみをこらえたようなメロディーとサウンドー
このセンティミエントは、プエルト・リコならではのもの。
この2曲だけはやるせなさに耐えながら怒濤の寄りをみせるのだ。
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