スペースの都合でゴンサレス13はまたしても途中で終ってしまうのではないかと懸念しつつ
連載サルサ風味?小説 ゴンサレス13 #3-Lelolai Vol.3
by Hiro 1984.4.1
赤毛のスチュワーデスに魅せられたゴンサレス13は、思わずそうそれこそタモリの「私はダレ?ここはどこ?」のように、我を忘れて三船敏郎に変身してしまった。
「ウ~寝てみたい」
テレビCMは長くはない。15秒とか、せいぜい長くて30秒スポットが常識である。だからして、三船敏郎へと変身したゴンサレス13もすぐに我をとり戻し、元のニヒルな仕事人としての顔に戻っていた。
ゴンサレス13をのせたボーイングは、空港の誘導灯にまねかれて、夜のニューヨークへとおりたった。
仕事を前にしたゴンサレス13は、平静な顔をよそおいながらも、精神は緊張しきっていた。 いつものゴンサレス13ではないことを、彼自身気がついていた。
「しまった 彼女のNoきくのを忘れた。」
タラップをおりる時にいつもお決まりの動作はしてきたのだが、Noをきかなかったことに、彼は後悔の念をいだかずにはおれなかった。これから大切な仕事だというのに、こんなに動揺していては…。彼は赤くはれた自分の左ホホをさすりながら、ひとことつぶやくと夜のニューヨークの街へときえていった。
「チェッ!尻さわった位でぶたなくてもいいのに。」
スチュワーデスの尻をさわるのが、彼のタラップでのいつもの動作なのであった。仕事柄といえ、身についた習慣とはおそろしいものである。
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