Fusion, Rockの中のSalsa -Lelolai Vol.1

Disc/Music Guide

by Hide 丹羽英人 1983.9.9

Guiroならぬ、ひょうたんからコマで、クラブができてしまって、そのうえ会報(?)まで出るという。さらにはSeñoritaも新参加とのうわさもあるし、ほとんどメレンゲ調に事が進んでしまったので、原因の当人は、あっけにとられるやら、うれしいやら、まずはめでたい!

今年の夏は、例年に比べて多少 Musica Latinaは盛り上ったようだが、SambaのPower、Regae浸透の仕方に比べ、Salsaの方は、やはり今イチの感がある。まあ、夏だけの音楽ではないのだが・・・。
やはりこれは国内盤で、いま手に入るSalsaのレコードはDel Sol の2枚と、ついこの前でたMachito のグラミー賞アルバムだけという状況に原因があるのではないだろうか。
Salsaといっても くふつーの音楽ファン> にとっては、やはり耳にするチャンスが少なすぎる。
だから何がSalsaか、わかろうはずもなく、したがって「Sambaみたいなもの」ぐらいの認識がせいぜい。

少し興味を持っても、いざ聴いてみようにも、国内盤は少なく、手に入りにくい。 輸入盤も、あるところに、あるときにしかない。で、結局わからずじまい。
そこで今回は、そんなあなたのために?Salsa入門編として、フュージョン、ロックの
国内盤で手に入るSalsa Musician以外の演ったSalsaを紹介したい。ただし、これから
挙げるものは、あくまでも私の趣味と判断によるもので、「あんなのはSalsaじゃない。」と言われても、私は知らないよ~

まずロック編。ロックでラテンと言えば、何といっても Santana である。(いわゆる
ファンカラティーナは除外する。)
かの有名なTito Puente(ティト・プエンテの「Oye Como Va」「Para Los Rumberos」
あるいは「Guajira」などは、Roots Salsaというべきサウンドだが、モロSalsaの曲が
2曲ある。 「Gitano」 「Maria Caracoles」で、特に「Gitano」はブラスなしだが、
Armand PerazaおじさんのシブいCantoがいい。「Maria Calacoles」は、ブラスが
快ちいい曲。

他にも Son Montunoの「Dance Sister Dance」などや、メレンゲをソウル風に仕上げ
た「Let Me」なんかがある。
ロックでは他に、まったく無名で、まだ存在しているかどうかさえあやしいが、名古屋のELLに出ていたといわれる“ちょんわかん”の「アリバイ」が、レゲエが少し入るものの、いい感じでせまっている。
いわゆるファンカ・ラティーナはただのディスコミュージックだと、私は思っているが、参考までにU.K. の Modern Romance など聴かれると良かろう。

さてフュージョン編。
Clare Fisher という人が「Salsa Picante」というアルバムを出している。リズム隊はAlex Acuñaを中心になかなかよいが、それにのっかるClareのPiano, Guitar, Flute がジャズをやっていて、しかもあまり気持ちよくない。

本多俊之とバーニング・ウェイブの「Coconuts Clash」。途中に4ビートとSambaがまじるが、決めといい Montunoのつくりといい、なかなか。 特にPerc. 1人で Over Dub. している帆足哲郎が出色である。


次にネイティブ・サンの「Shining」。パーカッションはドラムスのみだがベースとピアノが、ゴキゲン。ドラムスが早めの4ビートっぽくハイハットを踏んでいるのが、めずらしい。

「むきゃあしげはる」くんのOrisaも1曲ほどあったようだが、曲名を忘れた。宮野弘樹のアルバムにも、正体不明のSalsaタッチの曲があるらしい。

さて、いよいよ松岡大先生。この人の曲は、いかにもそれ風のSalsa Touchの曲で、それでいてしっかりオリジナリティを持っている。 Salsaがどうのというより、もう独自の松岡ミュージックを作りあげてしまっているが、そんな松岡さんの曲の中
では、「A Season Of Love」 「Take 6・4・5」「Que Pasa Amigo」 「Oye Baile Mison」「Noche Corriendo」。 松岡Gの「Evening Calm」あたりはSalsaの匂いが強い。「One Last Farewell Salsa Version」あるが… Salsatouchは強いのだが、これはもう松岡ミュージックの代表作と言った方がいいだろう。

さて最後に、これらの曲を聴くときのエチケットとして、必ずクラーベのリズムを感じていただくことをおすすめしょう。またそれでも今イチ乗れない方は、ベースを聞くのが一番よいと思う。

《出典レコード》
“Oye Como Va”,”Para Los Rumberos” …ABRAXAS
“Guajira” …SANTANA(3rd)
“Gitanos” “Dance Sister Dance”, “Let Me” … Amigos
“Maria Caracoles” …Festival
以上 SANTANA

“アリバイ” /ちょんわかん …Light Music Contest’81(冒頭)

“Adventures In Club Land” /Modern ROMANCE

“Salsa Picante” /Clave Fischer
“Coconuts Clash Boomerangs” /本多俊之とBurning Waves
“shining” …”shining”/ Native Son

“A Season Of Love” … The Wind Wispers
“Take 6.4.5” …Fiesta Fiesta
“Que Pasa Amigo” …Majorca
“Oye Baila Mi Son” “Noche Corriend” …Son
“One Last Farewell” …The Show
以上、松岡直也&Wesing

“Evening Calm” …Farewell to The Seashore
松岡直也

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