今宵もトレスが妖しく響く…
by Hyde 1985.1.1
¡FELIZ AÑO NUEVO! 我がレロライ倶楽部もついに2度目の正月を迎えてしまった。まことにおめでたい。
さて今回はサルサの中ではあまり陽があてられていない(?)トレスに光をあててみたい。サルサファンの方ならトレスという弦楽器のことは一応ご存知であると思うが、「3」(トレス)その名の通り、複弦3コースのギターである。サルサでは他の楽器ほど使われない楽器だけれど、このトレスの音色はカリブの海を想いおこさせるような、今夜もとってもSentimientoなのである。
サルサが生まれる前、キューバにおいてサルサの母体となったソン、ルンバ、グアヒーラ等のキューバ音楽では、このトレスが非常に重要な位置を占めていた。 このトレスのフレーズが、 今サルサできかれるピアノのいわゆる「モントゥーノ1」である。
これは例えばロス・コンパドレス等を聴いてもらえばわかるし、今でもシェラマエストラのようなセステート、セプテットのスタイルに聴かれる。 このトレスを手に米国に渡り、サルサの種をまいたのがアルセニオ・ロドリゲスだった。
最近のアルバム2にもトレスの音が生きているものがいくらかあるので紹介してみたい。
まずはキューバ盤から、シェラマエストラの① iY Son Asi!と、ソン14の② Adalbert Alvarez Presenta。この②の中でごきげんなソロを演っているパンチョ・マングアレは’83年バラデロ音楽祭でオスカル・デ・レオンと共演(曲はたしかMelao de Caña)した頭のハゲたオッサンである。
サルサでは③ナティーホ④ラ・ペルラ⑤ファシナシオン⑥ロス・キミー サロメ等新しいグループ3がトレスを入れているのにも注目したい。 ちなみにフアシナシオンのイバン・コンデは、パチェーコとエルコンデの De Nuevo los Compadres にも参加している。 デビッド・セデーニョのところでは12弦ギターでなかなかトレスに丘い味を出している。
サルサ界ではこの人、ルイス・ガルシアを忘れてはいけない。
カナジョンの前作⑨CRIOLLO Y MASのB-4のチャチャチャなどトレスをオーバーダビングしていて好きなチューンだ。
ウィリー・ロサリオの前作⑩Salsa Machine A-3″Bajo La Luna”でトレスソロを演っているのがネルソン・ゴンサレスで、この人は自分のアルバム ⑪よりもゲストで演っている方がなぜかよい演奏である。(exポンセーニャのNew heights ‘A-1″Ahora Sí”, B-2″Timbalero”)。
ちょっと古いがクラシコの⑬ LOS RODRIGUEZや④セリア&ジョニー等でシブいフレーズをきめているチャーリー・ロドリゲスも忘れてはならない存在である。
①¡Y Son Asi! / Sierra Maestra ●Areito LD-4096
Tres: Juan de Marcos González Cardenas
②Adalbelt Alvarez presenta / SON14 Areito LD-4073
Tres: Pancho Manguare Francisco Amat
③ Conjunto Nativo ●TTH-1831
Tres: Jose J. Rivera
④Conjunto La Perla ●LAD-AM-372
Tres: Jesus (Chú) Lopez
⑤ Fascinating Sounds/Grupo Fascinación ●Rico RCSLP902
Tres: Iván “Palomita” Conde
⑥Yo Soy El Son / Los Kimy ●TR-152
Tres: Sergio Garcia Maruz
⑦Orquesta Salome ●Fania-JM622
Cuatro: Abraham Carrasquillo
⑧De Nuevo los Compadres /Johnny Pacheco y Pete Conde Rodríguez ●Fania JM625
Tres: Iván Conde
⑨CRIOLLO Y MAS… /Conjunto Canayon ●TH AM2221
Tres: Luis Garcia
⑩The Salsa Machine /Willie Rosario ●TH AMF-2223
⑪Nelson González and His Band ●TR133X
⑫New Heights/Sonora Rongena ●Inca JMIS 1074
Tres:Nelson González
⑬Los Rodrígues/Conjnto Clasico ●Lo Mejor LMR-801
⑭Celia & Johnny/Celia Cruz y Johnny Pacheco ●VAYA XVS-31
Tres: Charlie Rodríguez
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