Asi Es Mas O Menos Mi Vida
by 野口越生 1983.9.9
サルサしか聴かない日々が続いている。愛とロマンの日々だぜ。 おかげさまで実生活にも影響がでてきた。 ファッションのお手本は、ラロロドリゲスだ。
折り目のはいってないパンツははかない。横文字はついスペイン語読みしてしまう。
先日、弟がパーソンズのシャツを買ってきた。胸にPERSONSとしてあるやつ。それを見た私は、思わず“ペルソンス“と読んでしまった。美しくも悲しい話だ。
今日は39.4度と岐阜地方気象台、始まって以来のメチャ暑い天気だ。こんな日は扇風機が送りだす怠い空気を浴びながら、プエルト・リコを想って聴いている。オールド・サンファンの昼下り、カジェ・サンセバスチャンとカジェ・クルースの角にあるカウンターと、ジューク・ボックスしかないカフェから、イスマエル・リベーラの唄声が聞こえてきそうだ。
コロナ(ビール)が飲みたい。(かの地では、コロナのTVコマーシャルに、ウィリー・コロンとルーベン・ブラデスが出ていたそうな。)
そこから歩いて数分の波うち際のバリオで、彼は今 “Esto Sí Es lo Mío“の裏ジャケットの写真のようにくつろいでいるのだろうか。そして冬の夜にはニューヨークを想って聴いているだろう。クラブからの帰り道、ひとけのない舗道の地下鉄の排気口から白いスチームが、タクシーのライトに照らされている。
今かかっているのは、トミー・オリベンシア楽団の今年リリースされたやつ。アルバムタイトルはトミー・オリベンシア(TH-AMF2222)自信作だ。
リード・ボーカルのパキート・グスマンが抜けた時には、 これで楽しみがひとつ減ったなと思ったものだが、ラ・ソルシオーンからフランキー・ルイス、オルケスタ・ラ・ペルフェクタからカルロス・アレクシスを迎えて2作目のこのアルバムは、スマートでハツラツとしたサウンドとコロがなんといっても魅力だ。ユルメのパキート・グスマン時代よりも、今のラインナップの方が気にいっている。 おもわずテーブルから離れて、ステップを踏み始めてしまうという代物だ。
サルサを聴き始めて3年目。気楽に気分で聴いているから、なかなかパーソネルも曲名も覚えられない。そういえばロックを聴いていた時代(アイドルはザ・バンド)には、パーソネル崇拝志向があった。それがレコード購買の動機にもなっていた。今思えば悲しい時代よ。
話しを戻して、気楽に聴いていてもサルサに対する愛情は並々ならぬもので、ついに今年の4月からNHKのスペイン語講座を見はじめた。覚えが悪いから何度も繰り返し復習している。
Asi Es Mas O Menos Mi Vida
「私の生活はざっとこんな感じです」
アシエスマスオノスミビタ、アシエスマスオメノス
昼寝から目覚めた1才8ヶ月の娘が“ミビダ”と続けた。
コメント