Arsenio Rodríguez
言わずと知れた?Cuba出身のTres奏者にしてバンドリーダ。Son MontunoにPiano、複数本のトランペットや曲によってはSaxも取り入れていった先駆者的存在。7歳で事故から失明したが、治療をあきらめていなかったようで、音楽家として成功したのちにニューヨークに拠点を移していて、そこでかかった医者に「治らない」と最終宣告されたとのことである。
Arsenio Rodríguezの活動そのもの、そしてニューヨークへの進出・移住は、後のSalsaの誕生発展に大きな影響があったようである。
Arsenio Rodríguezは、Rumberoでもあり、複数の太鼓類と唄だけからなる典型的なRumbaの録音も数多く残しているし、RumbaにTres、ホーンセクションやピアノなどを導入したものも残している。
ところが、どう聞いてもSon Montunoとしか思えないのに形式名がGuaguancóになっているものが結構ある。
この記事では、今のところ、Arsenio Rodríguezによる「Guaguancó」のナゾを提示するに留まっている。あるいは今後の情報収集によってこのナゾが解けるときが来るかもしれない。少しばかり判明したことがあったので、以下の記事もご覧いただきたい。
Arsenio Rodríguezによる典型的Rumba「Guaguancó」
Wiki PediaのArsenio Rodríguezに関する記述は、なかなか詳しく深い。
このWikipediaの記述とArsenio Rodríguez discographyを元に探っていくと、RumberoでもあったArsenioは、複数の太鼓類と唄だけからなる典型的なRumbaの録音も数多く残している。
典型的なRumba Guaguancóの例:Guaguancó en el Remeneo (1960 SMC Pro-Arte SMC-1074)
典型的なRumba Guaguancóの例:Con Flores del Matadero 1956 RCA Victor 23-7120
典型的なRumba Guaguancóにホーンセクション、ピアノ、ベースを入れた例:Timbilla 1945 RCA Victor 23-0362
まるでSon MontunoなArsenio Rodríguezによる「Guaguancó」例
ところが、どう聞いてもSon Montunoとしか思えないのに形式名がGuaguancóになっているものが結構ある。(Arsenio Rodríguez discographyではSingleだけだが、形式名が併記されている。その他、レコードレーベル面写真で記載を確認できたものもある。)
本腰を入れて調べ始めるまでは、「発表年によって表記のルールを変えたのか?」とか「発表したレーベルによるのか?」などと思っていたのだが、発表年も前後しているようだし、どのレーベルでも混じっていた。
今のところ、実は「Guaguancóの元ネタがある」ものについては「Guaguancó」と表記しのかも、と妄想している。
Juventud Amaliana 1947 RCA Victor 23-0655
Oiga mi guaguanco 1952 Tico 10-122
La Fonda De Bienvenido 1957 Puchito 583
Buenavista En Guaguancó 1957 Puchito SP-105 / Antilla MLP-586 A3
Pucho Marquez 1966 Ansonia ALP 1337 B6
Lo Que Le Pasó a Luisita 1967 Ansonia ALP 1418 B2
Arsenio Rodríguez以外のまるでSon MontunoなGuaguancó例
Arsenio Rodríguezが、初めて自身のConjuntoを結成したとき、「Conjunto」を楽団名に冠するバンドは既に二つ存在した、とされる。Conjunto CasinoとConjuto Kubavanaである。
現在確認できる音源が実際に記録された年次情報は、はっきりしないこともあるので前後関係はわからないが、いずれのバンドも早期から、ピアノ、ベース、Tumbadora、Bongoに複数本のトランペットを要しており、このあたりが「Conjunto」という名称がこの編成を表す代名詞であると主張する根拠になっていると考えられる。
そしてこれらのConjuntoの残した録音でも、まるでSon Montunoとしか思えない「Guaguancó」がある。
Conjunto Casino Guaguancó a Luyano 1954 Panart – 45-1639
後の調査で、このナゾが少し解明できた。
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