Arsenio Rodríguezによる「Guaguancó」のナゾ
で提示した「ナゾ」が、その後の調べで少し解明できたかもしれない。
「Coros de Guaguancó」という歌の形式があった
「Guaguancó」を解説したWikipedia記載によれば、
「Guaguancó」という用語はもともと、(19 世紀後半から 20 世紀初頭のコーラスグループ形態である)「coros de claves」で歌われた物語的な歌のスタイル (「coros de guaguancó」) を指しました。
The term guaguancó originally referred to a narrative song style (coros de guaguancó) which emerged from the coros de claves of the late nineteenth and early twentieth centuries.
とある。「Guaguancó」をRumbaに乗せて歌うそのテンポでのRumba、あるいは「Guaguancó」を乗せるためのRumbaを「Rumba Guaguancó」と呼んだのであろうか。
これらを読む限り、「Guaguancó」というのは元々はリズムのことではなく、歌の形式名で
1)ソロ歌手による「a la la」とか「a ña ña」といった意味のない音節「Diana」
2)歌を始める口上をDecimarと呼ばれる10行詩形式でのソロ歌手が唄う
3)続くCoroの歌詞とメロディをソロ歌手が提示
4)そしてCoroとソロ歌手との掛け合い
と続くような形式の呼称であるらしい。
歌の形式名「Guaguancó」の演奏音源
この「Coros de Guaguancó」の音源を集めたPlaylistがYoutubeで見つかったのでご紹介する。
PLAYLIST GUAGAUNCO
取り上げられた音源の演奏は、一部を除いていずれもまるでSon Montunoの曲にしか聞こえない。必ずしもDianaを先頭においてはいないし、Coroの歌詞とフレーズをソロ歌手が提示したのを受けたCoroが続いているわけでもないが、いくらか前述の形式を踏んでいるようだ。そして、ClaveはSon Claveで刻まれていて特にRumba Claveではない。
一曲目:TÚ MISMA ME ACOSTUMBRASTE – Joseíto Fernández y su Conjunto 1952
二曲目:GUAGUANCÓ NÚMERO DOS – Sénen Suárez y su Conjunto del Tropicana Night Club 1953
三曲目:GUAGUANCO EN EL SOLAR – Rene Alvarez y su Conjunto(リリース年不明)
冒頭にDianaが入る
4曲目:Con Suavidad – Sénen Suárez 1953
レーベル面記載の形式名はGuaracha-Mambo
5曲目:Guaguanco Callejero – Sénen Suárez(リリース年不明)
冒頭にDianaが入る
6曲目:Para Niñas Y Señoras – Rene Alvarez Y Su Conjunto(リリース年不明)
冒頭にDianaが入る
7曲目:Llego Maria La O – Rene Alvarez Y Su Conjunto(リリース年不明)
8曲目:Guaguanco Numbero Dos – Senen Suarez(2曲目と同曲)
9曲目:Guaguanco En New York – Jose Curbelo and his Orchestra 1956
10曲目:GUAGUANCO – Everardo Ordáz 1953
11曲目:GUAGUANCO No 2 – RAUL ZEQUEIRA Y SU ORQUESTA(2曲目と同曲/リリース年不明)
Rumba Guaguancó風のTumbaoが入る
12曲目:San Lazaro – Celina y Reutilio(リリース年不明)
13曲目:MAMBO GUAGUANCO – RENÉ TOUZET AND HIS ORCH(リリース年不明)
14曲目:GUAGUANCO No 2 RAUL ZEQUEIRA Y SU ORQUESTA(2曲目とまったく同一音源)
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